「アリス」の絵画で知られる作家、金子國義。その人生の美学をたどる個展がBunkamura Box Galleryで開催

少女や少年を独自の美学で描いた絵画や本の挿絵で知られ、2015年に逝去した金子國義。その展覧会が、東京・渋谷のBunkamura Box Galleryで開催される。会期は2月1日〜13日。

金子國義 黒いリボン

 2015年3月に急逝したイラストレーター・画家の金子國義。その画業を振り返る展覧会が、東京・渋谷のBunkamura Box Galleryで開催される。

 金子國義は1936年生まれ。59年に日本大学芸術学部を卒業後、デザイン会社に勤めるも3ヶ月で退社。65年頃に澁澤龍彦と出会ったことをきっかけに、本格的に画家としての活動をスタートすることとなる。

 高度経済成長の只中で、澁澤龍彦をはじめ寺山修司や四谷シモンなど、日本の前衛芸術を切り拓いた寵児たちとともに活動した金子。74年には代表作の絵本『ふしぎの国のアリス』がイタリア・オリベッティ社から刊行され、その後も舞台美術や衣装デザインなど、幅広い仕事を手がけた。

金子國義 サド公爵夫人

 金子は、2015年2月にBunkamura Galleryで自叙伝『美貌帖』の出版を記念する個展「美貌の翼」を開催。そのおよそ1ヶ月後に急逝した金子にとって、最後の発表の場となった。

 そして、同ギャラリーで開催される今回の個展。モチーフとして描き続けた「アリス」や独特のエロティシズムに至るまでの全貌を、貴重な油彩やドローイング、版画で紹介する。没後も多くの人を魅了してやまない金子の、優雅で贅沢な世界観を楽しみたい。

金子國義 モード

編集部

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