産業革命期にイギリス随一の海港都市として栄えた、グラスゴー出身の海運王ウィリアム・バレル(1861〜1958)。バレルは古今東西の様々なジャンルの芸術作品を集めてコレクションを築き、1944年にグラスゴー市に寄贈した。その後、同市には美術館「バレル・コレクション」が設立、一般公開されている。(現在改修工事のため閉館)
本展「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」では、9000点以上にもおよぶバレル・コレクションの中から西洋近代絵画に焦点を当てた73点の作品と、同じくグラスゴー市のケルヴィングローヴ美術博物館が所蔵するゴッホやルノワールを含む7点の作品を展示する。
そのなかには日本初公開の知られざるドガの名作《リハーサル》(1874頃)をはじめ、バレルが独自の視点で収集した良質のフランス絵画のほか、クロホールら、スコットランド出身の画家、オランダのハーグ派の作品なども含まれる。
全80点のうち76点が日本初公開という貴重な機会となる本展。写実主義から印象派への流れをたどる構成になっている。
本国のバレル・コレクションが改修工事で閉館中のため実現する、貴重な本展をお見逃しなく。