写真家・山本渉が新作展を開催。とある穴から覗きつづけた秋葉原の10年間とは?

写真家・山本渉の新作展が、東京・新宿のユミコチバアソシエイツで開催される。本展では、10年にわたるリサーチのもと、「欲望のかたち」を可視化することを試みた作品を見ることができる。会期は11月22日~12月22日。

© Wataru Yamamoto, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 山本渉は1986年栃木県生まれ。2013年に多摩美術大学大学院博士前期課程を修了。「キヤノン写真新世紀」(2011)で佳作を受賞するなど、いま注目される写真家のひとりだ。

 主な個展に「プラタナスの観察」(2013、ユミコチバアソシエイツ)「春/啓蟄」(2014、ユミコチバアソシエイツ)「欲望の形 -器の濃き影-」(2014、NADiff Gallery)。そのほか、東京都写真美術館や横浜美術館アートギャラリー、3331 Arts Chiyodaでの写真展に参加するなど、精力的に活動を行ってきた。

 今回、東京・新宿のユミコチバアソシエイツで開催される個展「欲望の形 /Desired Forms(2012-2017)」で、山本は「オナホール」と呼ばれる男性用性玩具の内側の空洞部分を石膏によって採型。そうして生まれた立体を撮影し、欲望を可視化することを試みる。

 同作のリサーチのため、07年より秋葉原のアダルトショップでアルバイトを行っている山本は、08年には秋葉原通り魔事件を目の当たりにした経験を持つ。

 10年にわたって秋葉原の変容を観察してきた山本にとって、2018年は節目の年。秋葉原は多様な性玩具が生み出される生態系であり、山本曰く「ガラパゴス化した自然林」だという。

 本展では、それらのモノクロ等身大プリントと、性玩具のパッケージに描かれるキャラクターを石膏像にプロジェクションした様子を撮影したカラープリントが展示される。

編集部

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