EXHIBITIONS

STARS展

現代美術のスターたち―日本から世界へ

2020.07.31 - 2021.01.03

草間彌生 ピンクボート 1992 名古屋市美術館蔵

李禹煥 関係項 1969 / 1982

宮島達男 Sea of Time ’98 1998 「家プロジェクト『角屋』」(ベネッセアートサイト直島、香川、1998)での展示風景 撮影=上野則宏

村上隆 Ko²ちゃん 1996-2011

奈良美智 Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon 2006 制作協力=graf 金沢21世紀美術館蔵 撮影=中道 淳/ナカサアンドパートナーズ

杉本博司 シロクマ 1976 大林コレクション蔵

 国家規模のイベントが続き、国際化が推進された戦後高度成長期の日本。今日、国内では再びそのような気運が高まっており、現代美術の世界でも、脱植民地主義や多文化主義など様々な議論が重ねられ、ビエンナーレやアートフェアなど新たな場が拡がっている。なかでも近年のアジア経済の台頭は目覚ましく、この地域に新しい美術館や市場が生み出されている。

 本展では、日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名を選び、その軌跡を初期作品と最新作を中心に紹介。6名の実践は世界からいかに評価されてきたのか、国境や文化を越えた普遍的な課題の追求、伝統や美学、テクノロジーやサブカルチャーなど、日本固有の社会的、文化的、経済的背景を踏まえて探る。

 出展アーティストは、1960年代はニューヨークのアート・シーンで活躍し、ポップな色彩と南瓜や草花など親しみやすいモチーフの作品で絶大な人気を博す草間彌生、「もの派」を代表する作家のひとりで、もの相互の関係性に意識を向けた制作を続けてきた李禹煥(リー・ウファン)、「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」をコンセプトに、数字が変化するデジタルカウンターを使ったインスタレーションや立体作品を中心に発表する宮島達男

「スーパーフラット」論を提唱し、グローバル化が進むアート・シーンに日本固有の言説を確立した村上隆、子供や動物、植物などをモチーフに、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格が共存するドローイング、絵画、彫刻などを手がける奈良美智、世界各地の水平線を撮影した「海景」などの写真シリーズで知られ、近年、建築や伝統美術、古典芸能など幅広い芸術領域を横断する杉本博司

 また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜を検証する。