2018.5.6

もの派を代表する菅木志雄の
「金属」を中心とした個展が、
東京・銀座のTHE CLUBで開催

国内外で高く評価されている「もの派」を代表する作家・菅木志雄の個展が、東京・銀座のTHE CLUBで開催される。会期は2018年5月12日〜7月4日。

メインビジュアル ©菅木志雄 Kishio SUGA

 菅木志雄は1944年生まれ。岩手県盛岡市に生まれ、現在は静岡県伊東市にスタジオを構えて活動をしている。多摩美術大学絵画科を卒業した68年以降、「もの派」グループの中心メンバーとして国内外で活動。78年のヴェネチア・ビエンナーレ、ポンピドゥー・センターやグッゲンハイム美術館などでの戦後前衛美術に関する展覧会へ参加し、2000年以降はスコットランド国立近代美術館やニューヨークのDia: Chelseaといった、欧米の美術館で展覧会を開催してきた。17年に開催された第57回ベネチアビエンナーレ国際展では「VIVA ARTE VIVA」の出展作家として選出されており、その作品は、東京都現代美術館をはじめとする国内の美術館をはじめ、テート・モダン、ダラス美術館、ポンピドゥー・センター、M+など世界中の美術館に所蔵されている。

 

 そのような国内外で注目される菅木志雄の最新個展「放たれた縁在」が、東京・銀座のアートギャラリーTHE CLUBで開催される。

 本展では、1980年代から2016年にかけての作品約20点を回顧展形式で展示。なかでも、「金属」を扱った作品を中心に紹介するという内容だ。

 幼少期から自然を観察することに時間を費やしていたという菅は、木や石といった、ほとんど加工されていない自然に存在する素材を使って作品を制作してきた。それに対して、今回の展示作品に用いられている銅やアルミニウムは、人間の手でつくられた素材だ。異なる「もの」と「もの」の間に生まれる関係、そしてそれを展示する「空間」と「もの」との相互性。菅は、自身の作品について「人間」も「もの」も同価値ということを提示していると述べているという。

 「自然」に存在する素材と、「人間」によってつくられた素材。このふたつの「もの」で菅がつくり出す、荒々しくも静かな空間を楽しみたい。