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「竹村 京 うごくせかい」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)開幕レポート。「縫う」「修復する」行為を通じて未来を見つめる【2/3ページ】

2つの新作インスタレーションもお披露目

 さらに注目したいのが、発表された2つの新作インスタレーションだ。ひとつ目の《修復されたN半島の屋根瓦》(2026)は、能登半島地震で倒壊した家屋の黒瓦を修復した作品。現地で瓦を手にした際、竹村の脳裏にはドイツでの制作時に触れた頭蓋骨の感触が蘇ったという。「存外重かった」「瓦は家の頭蓋骨なのだと思い、修復したいと思った」と語る作家の、新たなアプローチが立ち現れている。

《修復されたN半島の屋根瓦》(2026)の展示風景
《修復されたN半島の屋根瓦》(部分、2026)。先ほど登場した蛍光シルク糸で、修復された場所がぼんやりと浮かび上がる

 もうひとつの新作は、インスタレーション/パフォーマンス/映像で構成される《May I enter?, all things move》(2026)だ。天井から吊るされたガラスが揺れ落ちて砕け、それを竹村がその場で修復していくという一連のプロセスをもって構成される。竹村の作品において「震災」や「破損」は度々立ち現れるテーマだが、ものが壊れる恐怖と、そこから未来へ進むための「修復」を見せることで、鑑賞者にレジリエンスのあり方を提示しているようだ。

 なお、本パフォーマンスは、7月25日、8月8日、9月22日の全3回で実施される予定となっている。

《May I enter?, all things move》(2026)のためのプロローグ。本作がどのようなプロセスで展開されるのかを事前に映像で見ることが促される
《May I enter?, all things move》(2026)の展示風景。会期中は全3回にわたってパフォーマンスを見ることができる

編集部