第3章「真言宗各派の名宝」
第3章では、真言宗各派十八本山が受け継いできた名宝が並ぶ。
真言宗は時代のなかで多くの宗派へ分かれながらも、空海への信仰という共通の精神を受け継いできた。本章では、その歴史を物語る書跡や絵巻、古文書が一堂に会する。


なかでも国宝《信貴山縁起絵巻 飛倉巻》(12世紀)は、日本絵巻史を代表する名作として知られる、院政期四大絵巻のひとつ。本作は、朝譲孫子寺の中興開山、命蓮の説話を描いた絵巻。命蓮が信貴山から鉢を飛ばして托鉢していたところ、それを渋った長者の蔵を飛行させたというエピソードが、躍動感とともに描かれている。

そのほか、『法華経』を経文と仏像を一行おきに表わす「経仏交書経」の形式で書写した国宝《一字一仏法華経序品》(11世紀)や、舎利容器の最高傑作とされる国宝《金銅透彫舎利塔》(13世紀)など、寺院の歴史と信仰を伝える資料が並び、各宗派がいかに文化財を守り伝えてきたかが、その努力の結果を概観することができる。




















