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「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」が開館。100年の歴史を持つ重要文化財を活用する意義とは?【3/3ページ】

建築遺産としての監獄、その転用の意味

 旧奈良監獄の特徴は、西洋建築様式を取り入れた意匠と、当時としては人権に配慮した設計にある。天井から自然光を取り入れる構造や、放射状配置による監視機能は、近代合理主義の産物でもあった。 

第三寮以外は「星のや奈良監獄」の客室につながる

 こうした建築をただ保存するのではなく、「体験」として再構成することを目的に、敷地内では6月25日にホテル事業「星のや奈良監獄」が開業し、歴史的空間に滞在することが可能となる。

 このプロジェクトは、文化財保存と観光資源化という近年の潮流を象徴する事例といえ、八十田香枝館長は初年度30万人、将来的に国内外から100万人の集客し、奈良の新たなアイコンを目指すと語る。

 空間設計をしたアドリアン・ガルデールは、「ここは自由、収容という問題と直結する場所。脆い自由というものについて考えてほしい」と訴えかける。またアートディレクションを務める佐藤卓も「一番大事なテーマは自由。自由とは何かについて考えるきっかけとなれば」と語った。

 美しく整えられた監獄空間に身を置くとき、私たちは「自由とは何か。規律とは誰のためのものか」という問いと向き合うことになるだろう。この場所で提示されるのはただの歴史ではなく、現在進行形の問いにほかならない。

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