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女性アーティストの国際的な認知向上を目指す。国際プログラム「Women to Watch」の連動展が表参道で開幕【3/3ページ】

村上華子の再解釈、米田知子の視線──パリとロンドンから照射する「本」の役割

 写真の起源や古典技法を探究する村上華子は、パリを拠点に活動している。本企画への参加について村上は、「なぜいまだにこの活動が必要とされているのかを考えるきっかけになった。教育機関におけるロールモデルの不在や、美術館収蔵品の多くを男性作家の作品が占める現状など、パリでもジェンダーギャップ是正の動きを肌で感じている」と語っている。

 本展では、写真技術を完成させたルイ・ダゲールの著作を通じて「本」の要素を再解釈。会場のBGMに至るまで、多様なメディアを用いて「読む」という行為を捉え直している。

村上華子による展示の様子
村上の《Untitled (Notice)》(2022)は手に取って持ち帰ることが可能だ

 ロンドンで制作活動を行う米田知子は、20世紀を代表する人物たちが愛用した眼鏡を通じ、ゆかりのある書物や手紙をのぞき見る代表的シリーズ「見えるものと見えないもののあいだ」から3作品を出品している。米田自身、男性中心のカメラマン社会でハラスメントを目撃・経験したという。「NMWAの活動によって、アーティストが存分に活躍できる場が生まれれば」と期待を寄せる。

米田知子《見えるものと見えないもののあいだ マハトマ・ガンジーの眼鏡-『沈黙の日』の最後のノートを見る》(2015)

 3月8日の「国際女性デー」を前に開幕した本展。これを通じて、5人の作家による重層的な表現に触れるとともに、アート業界に根強く残るジェンダーギャップの現状と、それを是正する国際的な動きに目を向ける機会としてほしい。

 なお、本展終了後の2026年4月初旬には、出展作家5名のなかから日本代表として1名を選出。2027年にワシントンで開催される第8回「Women to Watch」に参加する予定となっている。