アメリカ・ワシントンDCに拠点を置き、女性アーティストによる作品のみを収蔵する美術館「National Museum of Women in the Arts」(通称NMWA、ニムワ)。その日本委員会が、3月8日の「国際女性デー」と3月の「国際女性史月間」にあわせ、日本国内の美術館に対して「#5WomenArtists」プロジェクトへの参加を呼びかけている。
同プロジェクトは、NMWAが女性アーティストの認知向上を目的に2016年より継続的に行ってきたもの。InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアで「Can you name five women artists?(あなたは女性アーティストの名前を5人挙げられますか?)」というメッセージを問いかけ、これまで美術史で女性アーティストが男性と比較して平等に扱われてこなかったこと、現在も美術館やギャラリー、オークションなどで過小評価されていることに対して社会の認知を喚起することを図る。
毎年3月の国際女性史月間を対象期間として始まったこのプロジェクトは、2021年より通年プロジェクトとして規模を拡大。毎年異なるテーマを定め、年間を通して世界中のネットワークと連携し、様々な分野の女性アーティストを紹介する活動を行っている。2022年までに、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、テートを含む、57ヶ国の1800を超える美術館などの文化団体が参加し、ソーシャルメディアにハッシュタグ「#5WomenArtists」をつけた投稿を行うことで、アートの世界におけるジェンダー平等についてグローバルな対話の機会を創出してきた。
今年のテーマは「art+, fine arts and beyond」。ファインアートの世界だけでなく、建築、デザイン、音楽、映像、工芸に至るまで、あらゆるクリエイティブな制作に携わる女性アーティストを対象にした投稿を募集している。NMWA日本委員会の呼びかけによって、国内では現在、アーティゾン美術館、国立西洋美術館、佐藤美術館、DIC川村記念美術館、豊橋市美術博物館、十和田市現代美術館、ポーラ美術館などが参加の意思を表明。また、30以上の美術館が参加を検討しているという。