美術史を「オペレーション」で読み直す
60年以上前の、あるエピソードからはじめたい。四国から上京していた作家と、欧米で活躍する著名作家とが出会い、意気投合して互いの作品を交換するに至った。高知出身の浜口富治と、スイス出身のジャン・ティンゲリーが、1963年に東京の南画廊で出会ったときのことだ。ティンゲリーは南画廊で行う個展のために来日していた。キネティック・アート、つまりモーターなどの機械によって「動く」彫刻の制作で名高いティンゲリーの前に現れた浜口は、自作の「動くオブジェ」を携えていた。通電すると金網の中の刃物(メス)がキリキリと音を立てて回る──そんな作品を見せるとティンゲリーは喜び、浜口に作品交換を持ちかけた。























