最後となる第3章「物語の中のおじさん」は、広重が『平家物語』のパロディを描いた《童戯武者尽 源頼政・熊谷直実》(1854、嘉永7)や、『金手本忠臣蔵』の賄賂の場面《忠臣蔵 三段目》(1837〜38、天保8〜9)など、物語のなかの「おじさん」を取り上げる。

そして最後となる第4章「おじさんを探そう」では、群衆のなかの「おじさん」に着目し、探す楽しみを提案。隅田川の納涼花火の混雑のなかで商売をする英泉の描く渓斎英泉の《江戸両国橋納涼之夜景》(1830〜44、天保後期)の「おじさん」や、歌川豊春の《浮絵駿河町呉服屋図》(1764〜72、明和後期)三井越後屋の店内で様々に反物を吟味する「おじさん」など、まるでマーティン・ハンドフォードによる絵本『ウォーリーをさがせ!』のように楽しむことができるだろう。

「おじさん」という、同館のSNSの投稿でも人気を集めるキーワードで浮世絵の楽しみを幅広い層に伝えつつも、これまでとは異なる観点での鑑賞を提案してくれる本展。奥深い浮世絵の世界を「おじさん」に案内してもらえる展覧会といえるだろう。



















