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「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着」(アーティゾン美術館)レポート。共有と追体験の空間が生む、記憶の想起と新たな認識【2/4ページ】

 パラオ、東京、沖縄、3つの地に残る戦中から戦後、そして現代までの3世代ほどの記憶は、各所に垂れる布を媒介に音響も含めて絡み合い、重なり合い、響きあって1つの空間を生成する。それは、「劇場」のようであり、「誰かの脳内」のようであり、仮設された「バラック」のようでもあり、見る者は、その「記憶の回廊」をさまようように渡り歩くことで、自身の記憶も含めて空間が満たされていくのを感じるだろう。

 作家も驚きだったという《4人の射手》との呼応と5つの映像と音響がひとつの音楽のように響き、布がそれを受け止め映像にもなる本作は、受け取る人それぞれに異なるストーリーが生まれる、過去、現在、未来が交錯する場となった。

山城知佳子《Recalling(s)》(2025)の展示風景 © Chikako Yamashiro. Photo: kugeyasuhide
山城知佳子《Recalling(s)》(2025)の展示風景 © Chikako Yamashiro. Photo: kugeyasuhide
山城知佳子《Recalling(s)》(2025)の展示風景 © Chikako Yamashiro. Photo: kugeyasuhide

編集部