パラオ、東京、沖縄、3つの地に残る戦中から戦後、そして現代までの3世代ほどの記憶は、各所に垂れる布を媒介に音響も含めて絡み合い、重なり合い、響きあって1つの空間を生成する。それは、「劇場」のようであり、「誰かの脳内」のようであり、仮設された「バラック」のようでもあり、見る者は、その「記憶の回廊」をさまようように渡り歩くことで、自身の記憶も含めて空間が満たされていくのを感じるだろう。
作家も驚きだったという《4人の射手》との呼応と5つの映像と音響がひとつの音楽のように響き、布がそれを受け止め映像にもなる本作は、受け取る人それぞれに異なるストーリーが生まれる、過去、現在、未来が交錯する場となった。






















