そして第3章、「フジタ、最後の挑戦 〜ランス平和の聖母礼拝堂建設〜」へ。洗礼式が行われた1959年10月14日、フジタは礼拝堂の建設を計画していることを公表した。「僕はあと20年生き永らえたいと思っています。なぜなら教会の装飾を行うのが僕の夢だから」。代父を務めたマム社のルネ・ラルーは、自社の隣の土地を礼拝堂の敷地として購入したばかりか、建設費用の一切を引き受けた。そして、ラルーの友人で建築家のモーリス・クロジエを紹介し、フジタとの綿密なコミュニケーションのもとに設計、施工が進められた。
第3章の展示では、最晩年のフジタが全身全霊を注ぎ「平和の聖母礼拝堂」内部に描いたフレスコ画をほぼ原寸サイズで再現し、チャペル建設のために描いたデッサンの数々を展示する。フレスコ画《四聖獣に囲まれた神と神秘の子羊》のためのドローイングを含む、ランス美術館所蔵のスケッチ44点は日本初公開となる。




ランス美術館は現在、大規模な改修と拡張工事が行われており、2027年に予定する再オープンの際には、フジタ作品のための展示スペース「フジタギャラリー」もオープン予定だという。これだけの数のフジタ作品が一挙に貸し出され、しかも安東美術館が所蔵する同時期の作品と併せて鑑賞できる機会はとても貴重だ。画家の晩年の足取りを軽井沢安東美術館で味わってほしい。まだあまり知られていないフジタの顔に出会えるはずだから。

第3章で「開館3周年記念企画 ランス美術館コレクション 藤田嗣治からレオナール・フジタへ 祈りへの道」は終了だが、猫や少女を描いた作品や、複数の自画像を含むコレクション展示や、「『葡萄酒、花、炎』—ワインが彩るフランス風景」と題する特集展示へと続く。



















