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「藤田嗣治 絵画と写真」(東京ステーションギャラリー)開幕レポート。写真がつくったフジタ、写真を使ったフジタ

東京ステーションギャラリーで藤田嗣治を「写真」を通して見つめ直す展覧会「藤田嗣治 絵画と写真」が開幕した。会期は8月31日まで。会場の様子をレポートする。

文・撮影(クレジットのないもの)=安原真広(ウェブ版「美術手帖」副編集長)

展示風景より、ドラ・カルムス(マダム・ドラ)《猫を肩にのせる藤田嗣治》(1927/2025)東京藝術大学蔵

 東京ステーションギャラリー藤田嗣治(1886〜1968)を「写真」を通して見つめ直す展覧会「藤田嗣治 絵画と写真」が開幕した。会期は8月31日まで。担当は同館学芸員の若山満大。

 乳白色の下地に描いた絵画で知られる、エコール・ド・パリを代表する画家・藤田嗣治。本展はこの藤田の芸術を「写真」をキーワードに再考するもので、藤田と写真の関係を「絵画と写真につくられた画家」「写真がつくる絵画」「画家がつくる写真」の3つの視点から紐解いてゆく。

展示風景より、《人形たちと藤田》(1954) 東京藝術大学

 プロローグ「眼の時代」は、藤田が渡仏した20世紀前半のパリにおいて、写真や映画が新たな表現手段として美術界に浸透した時代背景をとりあげる。本章ではベレニス・アボットが撮影した藤田の写真をはじめ、マン・レイ、アンドレ・ケルテス、ウジェーヌ・アジェといった、当時のパリで活躍した写真家たちの作品が並ぶ。

展示風景より、左からマン・レイ《セルフポートレート》(撮影年不明)、ベレニス・アボット《藤田嗣治、パリ、1927年》ともに日本大学芸術学部蔵
展示風景より、左がウジェーヌ・アジェ《サンリュスティーク通り、1922年3月》日本大学芸術学部

編集部