「未知なるクリエイション、その先へ」展の最後の章が、「マジック」。クリエイティブヴィレッジを巡る旅の終着点として、日本の美意識に裏付けられた表現力により、伝統技術を現代的な作品へと昇華させる2組のアーティストが登場する。霧や泡といった流動的な要素をテクノロジーと融合させ、無常観に象徴される日本の自然観を変容するインスタレーションに表現するA.A.Murakami。クラシックなウィッグメイキングの技術を基盤としながら、彫刻的なフォルムや異素材との組み合わせで未知なる生命感を生み出すkonomad(河野富弘、丸山サヤカ)。それぞれがメゾンダールとの協働を実現し、幽玄なるインスタレーションを実現した。



「未知なるクリエイション、その先へ」のコンテンツはここまでだが、さらに「ルサージュ 刺繍とテキスタイル、100年の物語」と題する企画展へと続く。ガブリエル・シャネルにはじまり、カール・ラガーフェルドなども含めメゾンではどのようなインスピレーションからどのようなデザインが生み出されたのか、あるいは、ツイードなどの素材が開発されたのか、というヒストリーを紹介する壮大なるアーカイブ展示が展開する。






シャネルというブランドについて知る。フランスのメティエダールと日本の職人技術に触れる。そうした世界観とアーティストの表現力との化学反応に身を委ねる。「le 19M」に集結した技術がちりばめられており、「未知なるクリエイション、その先へ」から「ルサージュ 刺繍とテキスタイル、100年の物語」への連動性においても圧巻の見応えだ。



















