続く展示空間「ランデブー」は、日本の数寄屋職人と「le 19M」の職人たちが共同でつくりあげたもの。靴を脱いで畳の部屋にあがると、地上52階の巨大な窓から見下ろす壮大な都市の風景を借景となって小上がりの設えの緻密さを浮き上がらせる。

「ランデブー」でしばし過ごし、次は「フォレスト」へ。人々にとって未知の領域、試練の場として存在してきたと同時に、生命や精霊が宿る神聖な場である森。今回の展示で「フォレスト」と題された空間は、木桶の可能性を拡張し続ける職人である中川周士の手による樹々で構成される。幹の洞(うろ)を覗き、珠玉の作の数々を楽しんでほしい。



会期中にはアトリエの創作に迫るドキュメンタリー映像が投影され、アーティストや職人たちがトークやワークショップも行われる「シアター」を彩るのは、フランスの現代アーティストであるグザヴィエ・ヴェイヤンが、刺繍のアトリエ モンテックスとの協働で手がけ、2023年5月に歌舞伎座の舞台を彩った特別な緞帳。日仏のメティエダールの共演を祝福するかのような演出だ。




















