《青楓瀑布図》(1787・天明7)は水しぶきを上げる滝と、ゆるやかに枝をくねらせながら伸びた柳を描いている。画の中央には黒々とした大岩が、激流のなか飛び出さんばかりに鎮座し、画面に立体感を生み出している。じっくりと対峙することで、眼の前の情景に吸い込まれていきそうになる一幅だ。

最後に紹介するのは《雪柳狥子図》(1778・安永7)だ。応挙の作品のなかでもとくにキャラクター的な人気のある、子犬を描いた画のひとつ。雪のなかでころころとひっくり返って遊ぶ愛らしい子犬たちを堪能したい。

日本美術の巨匠中の巨匠である円山応挙を様々な角度から読み解き、新たな発見を観客に提供してくれる展覧会となっている。



















