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「幕末土佐の天才絵師 絵金」(サントリー美術館)開催レポート。芝居絵屏風で知られる絵金の画業に迫る【3/5ページ】

 芝居絵屏風がいまでも多く残されている高知県香南市赤岡町は、絵金が叔母を頼って一時滞在したといわれる土地だ。この赤岡では、芝居絵屏風を飾る「須留田八幡宮の神祭」と「土佐赤岡絵金祭り」という2つの祭りが現在も開催されている。会場では祭りの様子が写真と映像で紹介されており、実際に芝居絵屏風がどのように飾られているのかを知ることができる。

展示風景より
展示風景より
展示風景より、祭りの様子を撮った写真

 また本章では、御用絵師であった絵金が残した、芝居絵屏風以外の掛軸や絵巻、画帖なども展覧されている。絵金の晩年作である《常盤御前図》は、病で右手が利かず、左手で描いたとの伝承がある作品。芝居絵屏風で知られる絵金だが、経歴からも想像できる通り、絵師としての高い技術力も持っていたことわかる。

展示風景より、《常盤御前図》 高知県立美術館 【展示期間:9月10日~10月6日】

 ほかにも、安政元年(1854)11月4日に起きた安政東海地震を題材とした《土佐震災図》や、四季折々の風物を描いた絵巻《土佐年中風俗絵巻》といった芝居絵屏風以外の絵金の画業を知ることができる作品が紹介されている。

展示風景より、《土佐震災図》 佐川町教育委員会
展示風景より、《土佐年中風俗絵巻》 個人蔵(高知県立美術館寄託)

編集部