第3会場の別館では、企画展 「愛をうたう詩人・やなせたかし」が開催されている。1966年発行の詩集『愛する歌』を中心として、「ギフトブックシリーズ」「たそがれ詩集」などのやなせが紡ぐ詩の世界が展開される。

同詩集から初出展となる自筆原稿が展示されるほか、連続テレビ小説『あんぱん』の脚本家・中園ミホをはじめ、小説家・小手鞠るい、ノンフィクション作家・梯久美子が語るやなせたかしの詩の魅力が紹介されている。

また、妻・暢との秘蔵写真や、2人の夫婦愛が垣間見える資料も特別展示され、やなせのプライベートな一面についても深堀できる構成となっている。

本展は、やなせの代表作であるアンパンマンの紹介だけではなく、人間の美しいとはいえない一面や出来事すら真っ直ぐに見つめ、葛藤しながらも比類なき愛情でそれを受け入れ肯定してきたやなせの姿勢を知る機会となる。多面的な顔を持つクリエイターであるやなせは、その作家人生をかけて我々に何を伝えようとしたのか。いま一度そのメッセージについて考え直す機会となるだろう。



















