「現代地方譚」は、高知県須崎市で2014年から続くアートプログラム。一昨年からは、新荘川に茂る葦をシンボルとして町の過去と現在を見つめ、将来を想像するという理念のもと、地域住民が主体となって取り組んでいる。その第7回目が、今年もすさきまちかどギャラリー/旧三浦邸を中心に開催される。会期は1月18日~2月16日。
今回のテーマは「食べる」。豊かな自然に恵まれる同地の新鮮な食材とユニークな食文化を足がかりとしながら、美味しさだけでは語れないその周縁との関係性に着目する。
アーティスト・イン・レジデンスの成果展には、人形劇や楽器演奏も行う工藤夏海、身の回りのモチーフを油彩で軽やかに描く今井麗、様々な素材を反応させるライブ・ペインティングで知られる中山晃子、仙台を拠点に、個人と公的空間の新たな関係をつくるためのプロジェクトなどを行う佐々瞬の4名が参加。それぞれの滞在経験をもとに制作した作品を発表する。
また、鈴木余位、甫木元空とともに新荘小学校4年生から6年生の子どもたちが手がけた8ミリ映画の上映会や、参道が境内から浦ノ内湾へ続くロケーションで知られる「鳴無神社」では韓国のシンガー・ソングライター、イ・ランによるライブコンサートも開催。高知県内のレストランやカフェ、農園による「食」にもあわせて注目したい。