同じ会場には、2000年にロンドンで結成したアーティスト・コレクティヴのアバケ/オバケの作品が展示されている。アバケは、アーティスト、出版社、作家、教育者、デザイナーで構成されており、本展には、輪島塗でできた《The Handshake》が展示されている。輪島塗は、各工程の専門家が順に作業し完成させるが、その専門家同士は同じ土地に生きているにもかかわらず、出会う機会がないという。その状況に疑問を抱き、ひとつの作品のなかで、違う技術によってつくられたものを並列関係に置くという作品が生まれた。
じつはこの作品には続きがある。輪島での震災を経たことで、それを踏まえてこの作品を更新したいとアバケ側から提案があったのだ。すでにFRACの所属作品であるため、エルメス財団が借りているこの期間に、作品を変化させることは不可能かと思われた。しかしケレン・デトンは、作家に寄り添うことをポリシーとするFRACは、むしろこういった作家からの希望を受け入れ一緒に進めていくべきだと判断し許可を出した。今年の8月に、本作は輪島に一度戻り、新しい作品となって会場に戻ってくる予定だ。期間中に変化する作品の前後を、ぜひ自身の目で確かめたい。




















