「体を成す からだをなす - FRAC Grand Large 収蔵作品セレクション展」(銀座メゾンエルメス ル・フォーラム)が開幕。フランスの現代アートを支えてきた公共コレクション【2/6ページ】

 本展では、FRAC Grand Largeのディレクターであるケレン・デトンをコ・キュレーターとして迎えながら、「社会的身体」をテーマに展開される。ヨーロッパ(フランス、イギリス、ベルギー、イタリア、ギリシャ、ルーマニア)、アメリカ、日本出身の13人のアーティストによる、1973〜2025年までの作品が紹介されている。

 まずはじめに、同ギャラリーの9階を入ると、ワルシャワ生まれのアーティストであるアンドレ・カデレの《丸い木の棒》が登場する。招待されていない展覧会のオープニングや公共空間に、丸い木の棒を持ち込むというアクションによって、既成の芸術空間や制度を批判する作品だ。

展示風景より、アンドレ・カデレ 《丸い木の棒》

 続いてテート・コレクションなどにも作品が収集されているヘレン・チャドウィックの、12枚の写真作品からなる《In the kitchen》が展示されている。女性の役割やアイデンティティをテーマに制作を行ったチャドウィックによる、女性の身体に注がれる視線について言及する作品だ。

展示風景より、ヘレン・チャドウィック 《In the kitchen》

 視線を移すと、ブリーヴ゠ラ゠ガイヤルド(フランス)生まれのポール・マヘケの《ラベンダー・レイ》が目に入る。9階を覆うようにかけられた薄紫色のベールによって視界が曖昧になることで、身体という世界との境界線が揺らぐように感じるだろう。

展示風景より、ポール・マヘケ 《ラベンダー・レイ》