第2章「写真がつくる絵画」では、絵画を制作する際に積極的に写真を活用した藤田の姿にその絵画から迫る。世界各国を旅し、それぞれの土地の衣服、建築、風景などを絵画のモチーフにした藤田。藤田はこれらを撮影し、またキャンバスの上でそれら写真を組み合わせることで画面をつくりあげていった。

例えば《北平の力士》(1935)には、藤田が旧満州を旅したときに撮影した写真と一致する部分が数多く見られる。画題は「北平(北京)」となっているが、必ずしも北京で写されたものではないものが組み合わされており、資料を巧みに組み合わせていく藤田の絵画制作の手法の一端を知ることができる。




















