第1章「絵画と写真につくられた画家」では、藤田が絵画と写真によって自身をブランディングしていたことを、自画像やポートレイトの展示によって紹介する。藤田といえば、誰もがおかっぱの頭と丸眼鏡というイメージを強烈に思い浮かべるだろう。藤田はこのような自身の印象的なスタイルを強調するように、積極的にポートレイトの被写体になり、その姿を周囲に印象づけていった。

会場では、ボリス・リプニツキ、アンセル・アダムス、ベレニス・アボットらが撮影した藤田のポートレイトとともに、自画像も展示。異邦人の芸術家としてパリで生き抜くために、戦略的に自身のイメージをアピールしていた藤田のしたたかさが伝わってくる。




















