「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」展(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3)開幕レポート。ジオ・ポンティの視点と越境するデザイン

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で、20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家でありデザイナーであったジオ・ポンティの制作を紹介する展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」がスタートした。会期は3月31日まで。

文・撮影=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より

 20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家でありデザイナーであったジオ・ポンティ(1891〜1979)。その作品と哲学に焦点を当て、家具、プロダクト、建築における彼の統合的な視点を探る展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で開幕した。

展示風景より

 ジオ・ポンティは、スプーン1本から高層ビルに至るまで、あらゆるスケールのデザインを手がけた建築家だ。その代表作である1960年竣工のミラノの「ピレリ高層ビル」や、1957年に発表された超軽量の椅子「スーパーレジェーラ」は、薄さと軽やかさを追求した名作として知られる。

 本展キュレーターの田代かおるは開幕に際し、「ジオ・ポンティは私たちが考えるモダニズム建築とまったく違う文脈の世界を持った建築家だ」としつつ、次のように話した。

田代かおる

 「その点が非常に魅力であり、モダニズムが中心となった時代には、ジオ・ポンティは必ずしも歓迎されなかったかもしれません。しかし、時代が進むにつれて、ジオ・ポンティが表現しようとしたことや、私たちが『モダニズム』としてとらえている概念が覆されるような世界観が明らかになり、現代の人々がジオ・ポンティを理解する機会が増えていると思います」。

編集部

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