「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」展(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3)開幕レポート。ジオ・ポンティの視点と越境するデザイン【2/3ページ】

 本展では、ジオ・ポンティ・アーカイヴスの協力のもと、ポンティがミラノのデッツァ通りの自宅のためにデザインした家具を中心に、モルテーニによって復刻されたアームチェアやコーヒーテーブル、ブックシェルフが展示。また、その空間設計を象徴するストライプ柄のセラミックタイルの再現を通じて、ポンティの独自の住空間の世界がインスタレーションとして展開されている。

展示風景より、ストライプ柄のセラミックタイルの再現展示
展示風景より

 田代はこう話している。「この展覧会では、70年以上前の家具が現代に蘇り、過去と未来をつなぐメッセージを伝えている点が大きな魅力です。復刻だけでなく、正確なジオ・ポンティ像を伝えるためには、アーカイヴスの記録が不可欠であり、復刻されたボルテーニーの家具と一緒に展示されることで、ジオ・ポンティを理解する豊かな環境が整ったと感じています」。

 会場では、ポンティの活動を1920年代から1970年代まで時系列で紹介する大パネルが展示。また、愛知陶磁美術館より特別に貸し出された1920年代のリチャード・ジノリの磁器製品や、ポンティ自身が描いたオリジナルのスケッチなども展示されており、その創造の原点に触れることができる。

展示風景より、右は愛知陶磁美術館より貸し出された1920年代のリチャード・ジノリの磁器製品

編集部

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