「第18回shiseido art egg」展（資生堂ギャラリー）が開幕。第1期は大東忍の個展「不寝の夜」【2/3ページ】

　作品によっては、街灯などの灯りのそばで「盆踊り」を踊る人影が描かれていることにも気がつくだろう。これは、大東自身が実際に踊りながら風景の供養を行っている様子でもある。集中して踊りながら耳を澄ますことで、その風景に向きあっているのだ。

　そして、個人的に今展でもっとも目を引いたのは、雪が深々と降り積もる風景を描いた新作だ。「ものの影と同じく、雪はすべてを等しく覆い隠し、曖昧にする」と語る大東。夜の風景を描く大東作品のなかでも明るい作品でもあり、グレーの諧調の美しさが際立つ。