素材のこだわりと活用の妙
宮脇は創作が進むと、好みの古裂を探して骨董屋や骨董市をめぐったり、業者から古布を引き取ったりと素材にこだわったという。様々な布を持ってきてくれる知人も多かったようだ。「世の中に廃物なんか一つもない」という言葉の通り、レースやプリント地、古くなった柔道着から、使用後のコーヒーフィルターに、石油ストーブの芯まで、ときにはビーズや刺繍糸なども含め、あらゆるものを用いている。
また、こうして集まった布の柄や模様を巧みに組み合わせて、モティーフの特徴をみごとに表したり、見立てたりする。さらには、模様そのものの面白さを活かして、模様の本来の意味を離れた思いもよらない大胆で楽しい造形を生み出すことも。
「4. 素材を活かす」「5. 模様を活かす」「6. 模様で遊ぶ」の章では、姑の影響でどんなハギレも捨てられないと残している宮脇の素材の幅広さと、自由でセンスあふれる活用の秀逸さに魅せられる。



