「SENSE ISLAND/LAND |感覚の島と感覚の地 2024」レポート。作品を通じて横須賀の土地に触れる【2/3ページ】

 観音崎エリアでは、建築家・山本理顕による設計が美しい「横須賀美術館」や、かつて東京湾の専防衛の要塞として利用されてきた「三軒家砲台跡」などが会場となっている。例えば横須賀美術館では、写真家・松原茉莉の《記憶は土にねむる》が展示。特殊なプロセスを経てAI生成したイメージを用いて、自然と人間の営みが築いてきた歴史を作品に落とし込んだ。

 ほかにも同美術館では「運慶展 運慶と三浦一族の信仰」(〜12月22日)や「瑛九―まなざしのその先に―」展(〜11月4日)も同時開催されている。

展示風景より、松原茉莉《記憶は土にねむる》(TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH)
展示風景より

 三軒家砲台跡で展示を行っているのは、松島宏佑・雪野瞭治・藤本雅司によるクリエイティブチーム ARu。一見作品が見当たらないと感じるかもしれないが、じつは砲台跡にある黒いポールと台のようなものが体験のきっかけとなる。体験者がこのポールや台を経由して周辺環境に触れることで、周りに設置されているライトが大地、動植物、微生物に含まれる水を通じて点灯するという仕組みだ。

展示風景よりARu《Connecting》。この時期水分を保とうとする常緑樹は、触れてもライトが点灯しないという。場所によって点灯の度合いが異なるのもおもしろいポイントだ
展示風景より、ARu《Connecting》

 山本愛子は、横須賀の走水(はしりみず)から観音崎エリアの「水」にまつわる歴史や物語をサイアノタイプを用いて表現した。古事記にも登場するという走水神社や走水水源地、河童伝説などをモチーフに、横須賀の物語が絵巻物のように紡がれている。

展示風景より、山本愛子《Echoes of Water》

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