日本で高い人気を博す写真家ソール・ライター(1923〜2013)。その個展が、ベイクルーズが運営するアートギャラリー「art cruise gallery by Baycrew’s」(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー)で始まった。会期は2025年1月13日まで。
ソール・ライターは、50〜80年代のニューヨークでファッション誌を中心に活躍した写真家。その後は商業写真の世界から退き、世間から姿を消していたが、2006年にドイツ・シュタイデル社から写真集が出版されたことを機に再評価され、展覧会開催や写真集の刊行が相次いだ。12年にはドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』が公開。また14年には、その膨大な作品を整理し、アーカイヴをデータベース化する「スライド・プロジェクト」が始動。ソール・ライターの業績はいまもその解明が続けられており、全貌が明らかになるには十数年の歳月が必要とされている。
日本では2017年と20年に、Bunkamura ザ・ミュージアムで2回にわたって回顧展が開催され、23年にも「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が開催されたライター。
本展は、没後に発掘されたポジから新たにプリントされた作品44点を日本で公開するものだ。作品の選定は、ソール・ライター財団が監修した。見る角度によって、作品同士がオーバーラップするような構成となっているこの展覧会。会場デザインを担当した同ギャラリークリエイティブディレクターのおおうちおさむは、「街中を歩くように作品と出会い、様々な作品同士が交差するような、予想もしない景色と出会う体験をしてほしい」と語る。
ファッションフォトをはじめ、会場に並ぶ大半の作品が初公開となっており、展示作品はすべて購入可能。日本では正式にソール・ライター作品を販売するギャラリーはなく、今回は貴重な機会となる。