横須賀の無人島・猿島で作品と対峙する。2回目の「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」がスタート

横須賀に位置する無人島・猿島の夜を舞台に、島の記憶や音を想起させる様々な作品が展示される芸術祭「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」が、1月22日にスタートした。

展示風景より、左から齋藤精一《JIKU #004_v2022 SARUSHIMA》、Natura Machina(筧康明/Mikhail MANSION/WU Kuan-Ju)《Soundrform no.2 Nature Machina》

 2019年秋、横須賀の街からほど近くに位置する無人島・猿島の夜を舞台に開催された芸術祭「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」。その2回目が、1月22日にスタートした。

 明治時代からの砲台跡などの歴史遺産が残り、一周歩いて40分程度で回れる猿島。この芸術祭は、鑑賞者がスマートフォンを受付で封印し、島内の暗闇のなかで自分の感覚を研ぎ澄ませて猿島の自然と作品に対峙するものだ。

展示風景より、HAKUTEN CREATIVE(高橋匠/中榮康二/原慎太郎)《Observation Clock -時の観測台-》
展示風景より、毛利悠子《I Can’t Hear You》 Photo by Naomi Circus

 今年のテーマは「音」。猿島で撮り下ろした飛行機の光の軌跡の作品を発表する忽那光一郎や、前回島内に点在させた作品や会期前に実施した地域の人々と行ったワークショップで制作した作品を設置する後藤映則、島内に残るレンガからイメージを想起させた作品を展示する中﨑透、猿島に残る落書きからインスピレーションを受け、猿島の歴史を紐解くような作品を公開するmamoruなど13組のアーティストが参加している。

忽那光一郎 風速0 SE08
展示風景より、中﨑透《Red bricks in the landscape》 Photo by Naomi Circus
展示風景より、mamoru《おだやかな孤独》

 プロデュースを務めるのは、アブストラクトエンジン代表取締役の齋藤精一。今年の芸術祭について、齋藤はステートメントで次のようなメッセージを寄せている。

『Sense Island - 感覚の島-』では、唯一無二の存在である自然島・猿島だからこそ、知らずのうちに人工的につくってしまった感覚を取り払い、テクノロジーや時間の概念を取り払い、猿島やそこにある自然の文脈を、そしてその文脈を感じるために自分自身と向き合うような作品や体験を通して、我々が失ってしまった“感覚”をもう一度取り戻す試みを行います。
これまでの生活が一変したいま、もう一度自分と自分の感覚を、猿島で対峙させてほしいと考えています。

 なお、会期中の1月29日と2月11日には、海外からの注目も高い音楽家・HAIOKAによる音楽イベントも開催。かつて要塞だった猿島の記憶や音を想起させる作品を通し、自然と時間と感覚に向かい合ってみてはいかがだろうか。

展示風景より、中﨑透《Red bricks in the landscape》 Photo by Naomi Circus
展示風景より、HAKUTEN CREATIVE(高橋匠/中榮康二/原慎太郎)《Observation Clock -時の観測台-》
展示風景より、井村一登《mirror in the rough》 Photo by Naomi Circus

編集部

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