「SSS: Super Spectrum Specification」
寺田倉庫G1ビルでは、山峰潤也による監修のもと、吉田山、呉宮百合香、堤拓也の3名のキュレーターがコラボレーションした展覧会「SSS: Super Spectrum Specification」が開催されている。
山峰は「次の世代にバトンを渡していくという意識で3名のキュレーターに仕事を依頼した」と語る。また、吉田山は「都市における、何かがつねに起きて連鎖していくという連続性を表現できる作家を選んだ」とコメントした。
テクノロジーと身体表現とを融合させたインスタレーションやパフォーマンスで知られるアーティストデュオ・MESは、新作《ダイ/DA-l》 (2024)を発表した。MESのメンバーが床に寝転がっており、その背中を上からのレーザーがなぞっていく。身体への抑圧を眼の前で感じさせるというインパクトあるパフォーマンスが、本展の目指すところを強烈に印象づけるだろう。
「EXPO70 OSAKA みどり館アーカイヴ」は、1970年の大阪万博のブース「みどり館」のアーカイヴ展示だ。「アストロラマ」世界初の全天全周映画を上映したこのブースのプログラムのひとつには、脚本を谷川俊太郎が手がけ、舞踏家・土方巽が出演するものもあった。加えて、具体美術協会の展覧会も開催されるなど、この先鋭的だったブースの様子を振り返る。
雪山で時速100キロメートルで果物をぶつけ合うパフォーマンスを記録したcontact Gonzoの《Physicatopia》(2017)は、ときに笑いをともないながらも、身体に生じる痛みが映像として立ち上がってくる。見るものに「自分がその場にいたらどのような知覚が生まれるか」という想像力も喚起するといえよう。
このように本展の冒頭では、明確に「身体」のあり方を問う展示が行われている。ほかにもアグネス吉井、トモトシ、中間アヤカ、森下真樹がパフォーマンスを行うなども、身体への問いの現れだ。
09年に結成されたアーティスト・コレクティブ「オル太」は、20年に初演された作品《超衆芸術 スタンドプレー》を、モニターやインスタレーションを組み合わせて展開。東京オリンピック開催前夜の東京で見つけた興味深いものを組みあわせ、新国立競技場を模したインスタレーションの中で映像を上映。都市での共存というテーマを掘り下げた。