いま、世界で起きている国際情勢に様々な方法でアプローチする作品も見受けられた。07年結成の演劇カンパニー、かもめマシーンは電話回線を用いて一対一で上演する「電話演劇」に取り組んできた。本展ではイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した人々が書いたモノローグ集『ガザ・モノローグ』を扱う、災害用伝言ダイアルをつかった作品を展示。受話器をとおして観客一人ひとりが声をきき、そして自ら話すことで、ニュースでは見えてこない個人の物語に向き合う。
台湾生まれのシュウ・ジャウェイは、2018年に初演された映像インスタレーション《黒と白ージャイアントパンダ》を展示。日本のお笑い芸人と協働した本作は、コミカルに構成された作品だが、中国と台湾のあいだにある政治的な駆け引きを表象している。
ほかにも、アントニス・ピッタス、ゴッドスコーピオン、風間サチコ、suzuko yamada architects、ボマ・パク、松田将英、下道基行が参加。様々なかたちで都市における身体とその拡張性を問いかけている。