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「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」(アーツ前橋)開幕レポート。流動する風景を観測し、受容する【3/5ページ】

 第2章「発展のその先に」では、人間の活動が加速し続ける現代において、人間中心の価値観、そして地球全体はいったいどこへ向かっているのかを問う、2組の作品を紹介している。

 シンガポール出身のチャールズ・リムは、同国の工業都市の地下にある巨大石油貯蔵庫を撮影。無機質かつSFチックに撮影された映像は、猛スピードでどこかへ向かおうとしている現実を非現実的にとらえている。

展示風景より、チャールズ・リム《SEASTATE6: Phase1》

 タイ出身で建築家としてのバックグラウンドを持つウィット・ピムカンチャナポンは、アーツ前橋の地下に巨大な迷路を生み出した。これは装置が作動することでパネルが上下し、つねに道が変化していく仕様となっている。「迷路は西洋の文化であると思っていたが、旅をするなかで、タイ仏教に迷路を構築する伝統があることを知った」とピムカンチャナポン。悟りへの旅を反映したこの迷路は、現代における東南アジアの流動する風景の特徴とも一致するのかもしれない。

展示風景より、ウィット・ピムカンチャナポン《Planetary Seed》

編集部

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