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特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」(静嘉堂文庫美術館)開幕レポート。茶の湯の歴史を伝える名品が集結【3/5ページ】

 ギャラリー2「憧れの茶入―"大名物"、"中興名物"の賞玩」では、濃茶を入れて点前に用いる陶製の小壺「茶入」に着目。茶道具においては、おもに利休時代より知られていたものを「大名物」、その後の時代に選定された小堀遠州好みのものを「中興名物」と称するが、本章では静嘉堂所蔵の大名物と中興名物の茶入をすべて展示しており、白眉ともいえる構成となっている。

展示風景より、ギャラリー2「憧れの茶入―"大名物"、"中興名物"の賞玩」

 とくに若き日の岩崎彌太郎が、会社の年末給与を前借りして購入したという逸話もある大名物の《唐物茄子茶入 付藻茄子》や《唐物茄子茶入  松本茄子(紹鷗茄子)》(ともに13〜14世紀、南宋〜元時代)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と戦国時代を代表する三武将が手に取った伝来を持つ名品中の名品だ。これらを収納された大箱とともに見ることができる貴重な機会となる。

展示風景より、左から《唐物茄子茶入 松本茄子(紹鷗茄子)》、《唐物茄子茶入 付藻茄子》(ともに13〜14世紀、南宋〜元時代)

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