ギャラリー1の「眼福を―岩崎彌之助・小彌太父子蒐集の名椀から」では、同館所蔵の名椀のなかでも中国製の唐物を紹介している。重要文化財《油滴天目》(12〜13世紀、南宋時代)は油滴班が格別に大きく、水戸徳川家伝来の大きく豪奢な《堆朱花卉天目台》(15世紀初期、明時代)に載せても引けを取らず、双方の存在感を際立たせている。
ほかにも千利休が大成した「侘び茶」の精神に従い、16世紀終盤に人気を博すようになった朝鮮半島製の高麗茶碗も並ぶ。重要文化財の《井戸茶碗 越後》(16世紀、朝鮮時代)や《堅手茶碗 銘 秋かぜ》(16〜17世紀、朝鮮時代)、《赤樂茶碗 銘 ソノハラ》(17世紀)など、展覧会名に違わぬ「眼福」な名物が目白押しだ。