アートとデザインから北欧の暮らしに出会う。横浜髙島屋「北欧展」が開催へ【2/2ページ】

約300点でたどる、スティグ・リンドベリのデザイン

 そして北欧デザインをより深く知る機会となるのが、同じ横浜髙島屋の8階ギャラリーで9月9日〜21日に開催される「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」だ。日本初公開の作品を含む約300点を通して、リンドベリの1930年代後半から1980年代初頭までの活動をたどる。

「H55」展のため告知をするスティグ・リンドベリ、1955年 © Stig Lindberg/Bus

 1916年にスウェーデン北部のウメオに生まれたリンドベリは、1937年にグスタフスベリ磁器工房にデザイナーとして入社。機能性や調和、美を追求しながら独創的な表現に挑み、陶磁器を中心にテキスタイルやイラストレーションなど幅広い領域でデザインを手がけた。なかでも白樺の葉をモチーフとした「ベルサ」は、現在も広く親しまれる代表作のひとつだ。

「ベルサ」シリーズより、「ディナーセット(LLモデル)」(成型:1957 / 装飾:1960) リンドベリ家コレクション © Stig Lindberg Photo by Per Myrehed

 本展に並ぶのは、すべてリンドベリの遺品と家族が所蔵するプライベートコレクション。代表的なテーブルウェアをはじめ、ファイアンス(錫釉陶器)、一点もののアートウェアやフィギュリン、テキスタイルプリント、原画のスケッチなど、その多彩な仕事を10章にわたって紹介する。「ベルサ」「プラム」「サリックス」といった著名なシリーズから、日本ではあまり知られていない作品まで、そのデザインの広がりを見渡すことができる。

スティグ・リンドベリ《国王コンスタンティノスとアンナ=マリア王妃》(1967-73)タペストリー リンドベリ家コレクション © Stig Lindberg Photo by Per Myrehed

 なかでも注目したいのが、リンドベリと日本との関係だ。1959年にはスウェーデンデザインのプロモーションのために来日し、瀬戸や信楽といった伝統的なやきものの産地を訪問。西武百貨店の包装紙もデザインした。本展では、こうした交流を通して日本への愛情を育んだリンドベリが、日本の美から着想を得て制作した作品も紹介される。

左から《鳥花図大皿》《タイル》(ともに1960年代) リンドベリ家コレクション © Stig Lindberg Photo by Per Myrehed

 さらに、リンドベリに才能を見出され、グスタフスベリ磁器工房で活動したリサ・ラーソンの作品も特別展示。会場では「ベルサ」をあしらったマグカップやドリップポットなど、本展オリジナルグッズも販売される。

展覧会会場で購入できるオリジナルグッズ

 デザインやアートから、ファッション、ヴィンテージ、フードまで。様々な入り口から北欧の暮らしと文化に触れられる今回の「北欧展」。日々の暮らしと密接につながりながら育まれてきた北欧の美意識を、横浜で楽しんでみてはいかがだろうか。

編集部