また、同フェアは来年、香港の独立芸術機関パラサイトと共同で、一般無料公開のフィルム・プログラムを初めて実施する。ビリー・タン率いるパラサイトのキュレーターチームは、ムービング・イメージの分野に力を入れており、革新的な映像作品を通じて、地域の文化的多様性を超えた視点を提供することを目指すという。
さらに、新設された「MGMディスカバリーズ・アートプライズ」は、若手アーティストの支援と育成を目指しており、来年の会期中に第1回受賞者が発表される予定だ。受賞者には賞金5万ドルが贈られるほか、マカオでの作品発表の機会も提供され、コミュニティとの交流や特別プログラムにも参加する機会が与えられる。
香港のM+と共同で、シンガポール出身のアーティスト、ホー・ツーニェンによる新作《Night Charades》もM+のファサードで展示される。AI技術を駆使したリアルタイムの再編集によって、香港映画文化へのオマージュとして構成され、観覧者に香港映画という遺産の新たな解釈を提示するという作品となる。
アート・バーゼル香港のディレクター、アンジェル・シヤン=ルーはプレスリリースで「2025年のアート・バーゼル香港には数多くの優れたギャラリーが参加を表明し、アジアの文化交流の拠点として、また目覚ましい発展を続けるアジアのアートシーンを牽引する存在として、本フェアの地位を改めて示すことができました。私たちは地域のアートシーンやその担い手たちとの関係をさらに深めていきたいと考えています」としつつ、次のように述べている。
「アート・バーゼルとUBSが先日発表した『グローバル・コレクティング2024』レポートによれば、中国本土の富裕層が2023年と2024年上半期に美術品・骨董品に費やした金額は世界最高を記録し、他のどの地域と比べても2倍以上の規模に達しました。来たる3月の開催に向けて期待が高まっています」。
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