「artKYOTO 2024」(渉成園)開幕レポート。日本の美意識を次世代に広げるアートフェア【2/2ページ】

 閬風亭では、工芸と近現代美術の作品を中心に展示。しぶや黒田陶苑のブースでは、卵殻や螺鈿といった素材を用いた現代工芸作家・時田早苗の作品が見られる。TAV GALLERYとRitsuki Fujisaki Galleryが合同でブースを構え、坂爪康太郎の「BLINKERS」シリーズと町田太一の「OK Warriors」シリーズを紹介している。

展示風景より
TAV GALLERYとRitsuki Fujisaki Galleryの合同ブース

 また蘆菴では、大阪のWa.galleryが、ハタノワタルの和紙、土、顔料などが重ねられた平面作品や藤井桃子によるしめ縄の作品などを展示。いっぽうの京都市特別企画展「超適応:新しい時代の工芸と表現」では、ミシン糸や石膏、珪藻土といった異素材を用いた宮田彩加の刺繍作品をはじめ、桑田卓郎、品川亮、桝本佳子、手塚愛子、森夕香らの作品が集まっている。

Wa.galleryのブースより
Wa.galleryのブースより
京都市特別企画展「超適応:新しい時代の工芸と表現」の展示風景より、右は宮田彩加の刺繍作品
京都市特別企画展「超適応:新しい時代の工芸と表現」

 今年のartKYOTOは、11月1日から国立京都国際会館で始まる「Art Collaboration Kyoto」と初めて同時開催されることとなっている。京都市内の様々な展示プログラムを含めて、今年の秋、京都のアートシーンはより大きな盛り上がりを見せている。国の名勝である渉成園で、京都ならではの伝統美と様々な美術作品が共鳴する独自のアートフェアをぜひ堪能してほしい。

展示風景より
展示風景より
展示風景より
展示風景より

編集部

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