サザビーズ、メトロポリタン美術館の「古巣」を買収

モダニズムの巨匠マルセル・ブロイヤーが設計し、かつてホイットニー美術館やメトロポリタン美術館が入居していたニューヨークにある伝説的な建物をサザビーズが買収すると発表した。

マルセル・ブロイヤーが設計した建物の外観Photo by Max Touhey. Courtesy Sotheby’s

 サザビーズが、ニューヨークにある伝説的な建物を買収し、旗艦ギャラリーおよびオークションルームを移転する計画を発表した。

 アッパー・イースト・サイドのマディソン・アベニューにあるこの建物は、モダニズムの巨匠マルセル・ブロイヤーによって設計されたもの。1966年に完成し、ホイットニー美術館は約50年間にわたり同建物を本拠地としていた。2015年にはメトロポリタン美術館が賃借し、翌年にはその分館「メット・ブロイヤー」として開館。2020年、この建物はニューヨークの美術館「フリック・コレクション」に譲渡され、24年まで同館建物の改修期間中には分館として「フリック・マディソン」がオープンしている。

マルセル・ブロイヤーが設計した建物の外観
Photo by Max Touhey. Courtesy Sotheby’s

 サザビーズは、24年9月にこの建物を所有する予定。建築家を起用して内部空間を改修し、25年に新しいギャラリーをオープンすることを計画している。新しい空間では、美術品から高級品まで71カテゴリーを紹介する展示室やオークションルームを設置し、無料で一般公開もされる予定だという。

マルセル・ブロイヤーが設計した建物の内部
Photo by Max Touhey. Courtesy Sotheby’s
マルセル・ブロイヤーが設計した建物の内部
Photo by Max Touhey. Courtesy Sotheby’s

 サザビーズ最高経営責任者であるチャールズ・スチュワートは声明文で、「ホイットニー、メトロポリタン、フリック・コレクションが入居していたほど豊かな歴史のある美術館の建物はほかにないだろう」としつつ、今回の買収について次のように述べている。「これは、世界的に有名な建築物を再生する本当にユニークな機会であり、お客様のために変化と革新を続ける私たちをさらに際立たせてくれるだろう」。

 ここ数年、サザビーズはパームビーチやアスペン、ロサンゼルス、ケルン、モナコ、上海を含む複数の新しいギャラリーをオープンしている。今年末は、ニューヨーク州ロングアイランドシティに約2万2300平米の新施設「ガントリーポイント」をオープンし、24年には香港とパリにも新しい本社をオープンすることを予定している。

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