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サザビーズのコンテンポラリーアート部門アジア地区統括・寺瀬由紀が7月に退任。独立へ

サザビーズのコンテンポラリーアート部門アジア地区統括を務めている寺瀬由紀が今年7月をもって退任。独立することが発表された。アレックス・ブランジックとマックス・ムーアが、それぞれ新たに設立されるモダン・コンテンポラリーアート部門アジア地区のチェアマンとコンテンポラリーアートセールス部長に就任する。

寺瀬由紀 出典=サザビーズのウェブサイトより

 先週、ニューヨークのイブニングセールで約654億円の総売上を記録したサザビーズが、アート部門アジア地区の人事変動を発表した。

 コンテンポラリーアート部門アジア地区統括を務めている寺瀬由紀は今年7月をもって退任し、独立するという。寺瀬は2011年にモルガンスタンレー東京事務所からサザビーズに転職し、18年より現職。アジア・コンテンポラリーアート分野で、日本の現代美術をアジアへ紹介する役割を担ってきた寺瀬は、これまでファッション界の重鎮NIGO®のコレクションによる「NIGO® Only Lives Twice」(2014)などを企画し、17年のニューヨークのオークションでは前澤友作が約123億円で落札したバスキアの《Untitled》にも携わってきた。

 サザビーズは声明文で、「過去10年間、寺瀬由紀はアジアのコンテンポラリーアート市場を新たなレベルに引き上げることに大きく貢献してきた」としつつ、次のように評価する。「長年にわたり、アジアや世界の多くの顧客の収集意欲を積極的に高め、重要なコレクションのために記録的な良質の作品を調達し、アジアにおける西洋現代美術の露出度を大幅に高めてきた。寺瀬由紀は、数々の新しいテーマのオークションを推進し、キュレーションして大きな成功を収めてきた」。

 寺瀬が率いるコンテンポラリーアートアジア部門は、今年のスプリングセールで11億香港ドル(約154億円)という過去最高額の売上高を記録。今年6月に香港で開催される、台湾出身の歌手でありアートコレクターでもあるジェイ・チョウとのコラボレーションセールは、寺瀬がサザビーズで携わる最後のセールとなる。

 寺瀬は退任について、「人生の新たな一歩を踏み出すのは難しい決断だったが、サザビーズや同僚との関係は非常に親密なものであると確信している」とのコメントを発表している。

 なお寺瀬の退任とともに、サザビーズ・コンテンポラリーアート部門ヨーロッパ地区部長を務めるアレックス・ブランジックとニューヨークのコンテンポラリーアート部門で務めるマックス・ムーアが、それぞれ新たに設立されるモダン・コンテンポラリーアート部門アジア地区のチェアマンとコンテンポラリーアートセールス部長に就任する。

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