2021.5.10

世界初のNFTを使った作品も。サザビーズがNFTのグループセールを開催へ

サザビーズが、6月3日〜10日にNFTムーブメントを代表するアーティストの作品を一堂に集めるオークション「Natively Digital」をオンラインで開催。世界で初めて鋳造されたNFTを使った作品、ケビン・マッコイの《Quantum》をはじめとする作品が出品され、全作品の入札は100ドルから始まる。

ケビン・マッコイ Quantum(スチール) 出典=サザビーズのウェブサイトより
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 NFTムーブメントを代表するアーティストの作品を一堂に集めるオークション「Natively Digital」が、6月3日〜10日にサザビーズのオンライン・プラットフォームで開催される。

 サザビーズは、4月に匿名のデジタルアーティスト・Pakと共同で同社史上初となるNFTセール「The Fungible Collection」を開催し、1680万ドル(約18億円)の売上高を記録。また、5月12日にサザビーズ・ニューヨークで開催される現代美術イブニングセールに出品されるバンクシーの代表作《Love is in the Air》の入札は、初めてハンマープライスを暗号通貨で支払うことができるようになる。

Larva Labs CryptoPunk #7523 出典=サザビーズのウェブサイトより

 イギリス人のデジタル・アーティスト、ロバート・アリスと共同で企画した今回のセールには、世界で初めて鋳造されたNFTを使った作品、ケビン・マッコイの《Quantum》をはじめ、今日のクリプトアートムーブメントの始まりとして評価されるLarva Labsの「Cryptopunk」シリーズにおける唯一のマスクを被った「エイリアン」、機械学習によって生成されるジェネレーティブ・アートを代表するひとりであるアンナ・リドラーの《The Shell Record》などの作品が出品され、全作品の入札は100ドルから始まる。

アンナ・リドラー The Shell Record(スチール) 出典=サザビーズのウェブサイトより

 同セールについて、サザビーズ現代美術スペシャリストであるマイケル・ブハンナは次のようにコメントしている。「Natively Digitalは、才能豊かで多様性に富み、破壊的なアーティストやデジタルクリエイターのコレクションをオークションに出品し、メディアとNFT空間で形成されている様々なムーブメントを祝福する。アヴァンギャルドなクリエーターから、ジェネレーティブ、コンセプチュアル、そしてポップで未来的なデジタルアーティストまで、このコレクションは、クリプトアートの世界から生まれたもっとも優れたクリエーターや、デジタルアートムーブメントの初期のパイオニアたちを紹介する」。

 サザビーズは、今回の販売益の一部を新しいメディアで制作活動を行う若手アーティストに支援する非営利団体「Sevens Foundation」に寄付し、同セールの出品アーティストたちは、販売益の一部をNFTアートの制作にかかるエネルギー消費を相殺するために設立された慈善団体に寄付する。またサザビーズは、Regen Network社と共同でカーボンオフセット調査を行い、販売に伴う鋳造コストと取引コストを相殺することに取り組むという。