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2020年上半期、世界主要オークションハウスの売上高は昨年比50パーセント減。オンラインは500パーセント増

アート市場分析会社「ArtTactic」が7月に発表したレポートによると、2020年上半期の世界主要オークション売上高が28億8000万ドル(約3063億円)で、昨年比約50パーセント減となった。しかし、オンライン・セールの売上高は約500パーセント増で4億1260万ドル(約436億円)。新型コロナの影響が如実に現れている。

6月29日に開催されたサザビーズのライブ・オークションの様子 Courtesy of Sotheby's

 アート市場分析会社「ArtTactic」が7月、2020年上半期のオークション市場の分析レポートを発表した。

 同レポートによると、サザビーズ、クリスティーズ、フィリップスといったオークション・ハウスの3巨頭の売上高は、19年上半期の57億ドル(約6020億円)から約50パーセント減少し、28億8000万ドル(約3063億円)となった。

 そんななかでもっとも大きな打撃を受けたのが、クリスティーズだ。その売上高は前年同期比で60パーセント減少。また、フィリップスは46.7パーセント減で、サザビーズは37.6パーセントの減少となった。

サザビーズのライブ・オークションで8460万ドル(約90億4900万円)で落札されたフランシス・ベーコンの三連画《Triptych Inspired by the Oresteia of Aeschylus》(1981) Courtesy of Sotheby's

 このレポートは、7月10日までに開催されたオークションの売上高を計上したもので、10日以降に開催されたセールの売上高は含まれていない。

 全体の売上高が激減しているにもかかわらず、目立った数字を示しているのがオンライン・セールだ。オンラインでの売上高は前年同期の6900万ドル(約73億円)から497パーセント増加し、4億1260万ドル(約436億円)となった。

 今年5月の時点で、3社は97パーセントの減少を記録しており、以降、これまで延期または中止となっていた主要なセールをライブ動画配信の形式で開催することで、それぞれの売上を後押ししていた。新型コロナの影響で人々の移動が制限されるなか、オンラインにシフトしたことは一定の効果を生んだと見られる。

 カテゴリ別では、オールド・マスターは世界的な健康と経済危機の影響をあまり受けていないようだ。戦後・現代美術が34パーセント、印象派と近代美術が68パーセント減少したのに対し、今年上半期のオールド・マスターの売上高は22パーセントの減少にとどまった。

 また地域別に見ると、香港の市場シェアは引き続き拡大しており、19年の15.8パーセントから21.9パーセントに増加。いっぽう、これまで圧倒的な市場優位を維持していたニューヨークは、昨年の50.2パーセントから40.8パーセントに減少し、第2位のロンドンは26.6パーセントと横ばいだった。

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