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クリスティーズ、世界4都市同時開催のライブ・オークションで落札総額約449億円を達成

7月10日に香港、パリ、ロンドン、ニューヨークの4都市でリアルタイムに開催されたクリスティーズのライブ・オークション「ONE:a Global Sale of the 20 th Century」が、4億2094万1042ドル(約449億円)の合計落札総額を達成し、同社のライブ・オークションの過去最高額を記録した。

ロイ・リキテンスタイン Nude With Joyous Painting 1994 (C) Estate of Roy Lichtenstein

 ライブ動画配信を通じ、7月10日に香港、パリ、ロンドン、ニューヨークの4都市でリアルタイムに開催されたクリスティーズのオークション「ONE:a Global Sale of the 20 th Century」。その合計落札総額が、4億2094万1042ドル(約449億円)を達成し、同社のライブ・オークションの過去最高額を記録した。

 ロイ・リキテンスタインが1994年に制作した絵画《Nude With Joyous Painting》(1994)は、4624万4250ドル(約49億3000万円)の落札価格でセールを牽引。クリスティーズの戦後・現代美術イブニング・セールの部門長であるアナ・マリア・セリスは本作について、「オークションに出品されたリキテンスタイン後期のヌードシリーズのなかでもっとも重要な作品だ」とコメントしている。

バーネット・ニューマン Onement V 1952

 また、開催前から注目を集めていたバーネット・ニューマンの《Onement V》(1952)は、3000万〜4000万ドル(約32億〜42億7700万円)の予想落札価格に対し、3092万(約33億円)の価格で落札。本作は、ニューマンが6点制作した「Onement」シリーズのうちの1点で、同シリーズの作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)などにも所蔵されている。

ブライス・マーデン Complements 2004-07 © 2020 Brice Marden / Artists Rights Society (ARS), New York

 なお、ブライス・マーデンの二連画《Complements》(2004-07)も3092万ドル(約33億円)で落札。2007年にニューヨークのマシュー・マークス・ギャラリーで発表された本作の落札額は、マーデンのオークションにおける最高落札額を更新。また、山口長男やルース・アサワ、ジュリア・チャン、ジョージ・コンドなど13人のアーティストもオークションレコードを更新している

 今回のセールについて、クリスティーズのCEOであるギヨーム・セルッティは、次のようにコメントを発表した。「現在そしてこれからについて3つのメッセージがある。いまのこの困難な経済状況にも関わらず、素晴らしいアート作品には強い需要があるということ。アート市場はいままでにないほどグローバルだということ。とくにアメリカのみならず、ヨーロッパ、アジアの動向も活発でした。そして3つ目に、これからは革新と順応性がキーになるでしょう」。

ニューヨークで開催された「ONE」の様子

 新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、オークションハウスも新しいオンライン・プラットフォームの開発を余儀なくされている。同社の20・21世紀美術部門ヴァイスチェアマンであるジョヴァーナ・ベルタッツォーニは、今回のセールは「既存のライブオークションの形式からの転換、加えて、国際的なデジタルコミュニティーがオークションに参加する絶好の機会だった」と振り返る。

 いっぽう、6月29日に香港、ロンドン、ニューヨークでリアルタイムに開催されたサザビーズのライブ・オークションは、3億6320万ドル(約388億4800万円)の合計落札総額を記録。そのうち、8460万ドル(約90億4900万円)で落札されたフランシス・ベーコンの三連画《Triptych Inspired by the Oresteia of Aeschylus》(1981)など高額な作品も出品された。

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