水上に浮かぶ美術館「FLOATING MUSEUM(仮称)」が韓国・安佐島にオープン。アーティスト・柳幸典が構想

韓国・安佐島で、水上に浮かぶ美術館「FLOATING MUSEUM(仮称)」が2024年6月の開館を予定している。アーティスト・柳幸典が率いるチーム「YANAGI + ART BASE」の設計。

FLOATING MUSEUM(仮称)外観イメージ 建築設計=YANAGI + ART BASE 

 韓国の新安郡・安佐島に、アーティスト・柳幸典が率いるチーム「YANAGI + ART BASE」の設計による美術館「FLOATING MUSEUM(仮称)」が2024年6月に開館を予定している。

FLOATING MUSEUM(仮称)外観イメージ 建築設計=YANAGI + ART BASE 

 新安郡は韓国の最西南端に位置し、多数の島々から成る人口約3万人の自治体で、少子高齢化や若者が都市へ流出するなど、人口減少に直面しています。この地域の活性化のため、新安郡が主体となりひとつの島にひとつの博物館/美術館を建設する「1島1ミュージアム」プロジェクトが2019年に始動。「文化芸術の島」を目指している。

 このプロジェクトで安佐島の総合監督になった姜瑩基が、岡山県の犬島精錬所美術館(2008)におけるアーティストの仕事に着目したことから、YANAGI + ART BASEによる、安佐島全体のグランドデザインを手がける「安佐島プロジェクト(Anjwa-Do Project)」が始まった。

柳幸典 Photo by Hideyo Fukuda

 YANAGI + ART BASEは「犬島精錬所美術館」後の展開として、柳の構想やアイデアを具現化するために構成されるチームだ。国内外の美術館の構想や設計、産業遺構や遊休施設のアートによる再生など、建築家やデザイナー、職人らが協働し、アートを通じて社会に貢献できるプロジェクトを展開。尾道市の離島「百島」の廃校をリノベーションしたART BASE MOMOSHIMAを拠点に、空き家や廃墟の再生による地域資源の発掘を続けている。

犬島精錬所美術館の空撮 福武財団 Photo by Yukinori Yanagi

 YANAGI + ART BASEは、安佐島プロジェクトにおいてアート作品と建築の意匠を一体化した美術館「FLOATING MUSEUM」を軸に、レストランやチケットセンター、植物園など、安佐島全体のグランドデザインをYANAGI + ART BASEが設計・監修している。

Anjwa Art Site Project 2019(2019年2月視察時のスケッチ) ©️Yukinori Yanagi

 中枢となる安佐島のシンチョン貯水湖には7つのキューブが浮かび、韓国全羅南道西部の多島海および地球の大陸の数を表現。これらのキューブの内部は、安佐島の自然とユーラシア大陸の最東端に位置する朝鮮半島の歴史的メタファーを想起させる作品を建築と一体化させた、サイトスペシフィックな空間となる予定だ。

FLOATING MUSEUM(仮称)模型
各キューブの鏡素材の外壁には周辺の自然環境が映り込む 建築設計=YANAGI + ART BASE

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