国立新美術館が、今年の企画展スケジュールを発表した。
3月1日に開幕した「ルーヴル美術館展 愛を描く」(〜6月12日)と昨年12月に発表された「イヴ・サンローラン展」(9月20日〜12月11日)に加え、「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」(6月29日〜8月21日)、「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」(7月12日〜10月2日予定)、「大巻伸嗣展(仮称)」(11月1日〜12 月25 日)が新たに公表された。
中国出身の国際的アーティスト・蔡國強は東洋哲学、社会問題を作品の基本コンセプトとし、火薬絵画、インスタレーションや屋外爆破プロジェクトなどで知られている。1986年末から約9年間、美術家としての成長に重要な時期を日本で過ごし、95年からはニューヨークに拠点を移して活動している。
サンローランとの共催による蔡の大規模な個展である「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」では、「原初火球」を宇宙の誕生になぞらえた起点とし、作家自身の活動の旅として、宇宙や見えない世界などをテーマに展覧する。
7月12日から始まる「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」も注目の展覧会だ。
本展は、イギリス・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作の軌跡をたどるもの。様々な時代や地域で生まれた約120点の作品が一堂に会し、それぞれのセクションにおいて展示作品が相互に呼応するような会場構成だという。絵画、写真、彫刻、素描、キネティック・アート、インスタレーション、さらに映像などの多様な作品を通じ、様々な時代のアーティストがどのように光の特性とその輝きに魅了されたのかを知ることができる。
11月に予定されている「大巻伸嗣展(仮称)」は、空間と時間を抽出し、体感させるような大規模なインスタレーションを制作し続ける美術家・大巻伸嗣を取り上げる。本展では、大巻が天井高8メートルの大空間を生かした新たなインスタレーションを発表。身体と感覚を揺さぶられ、この世界にある様々な事象、そして我が身の存在に新たな視点を投げかける大巻の作品をぜひ堪能したい。