千葉市美術館の新館長に、東京文化財研究所・副所長の山梨絵美子が2021年4月1日付で就任する。現館長・河合正朝は3月31日で退任する。
山梨は1958年秋田県生まれ。東京大学文学部美術史学科、同大学院修了。1989年に東京国立文化財研究所の研究員となり、独立行政法人化以降も同研究所にて近現代美術史の調査研究に携わってきた。現在は独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所の副所長のほか、東京都美術館運営委員会委員や千葉県文化財保護審議会委員も務めている。
専門分野は日本近代美術史で、高橋由一、小林清親、黒田清輝など近代日本の洋画をはじめ、日本近代美術史を専門として研究。企画・監修したおもな展覧会に「没後100 年記念東京国立博物館所蔵高野コレクション 浅井忠展」(2005、日本橋高島屋ほか)、 「生誕150年 黒田清輝展」(2016、東京国立博物館)などがある。
千葉市美術館は1995年に開館し、25周年を迎えた昨年にはリニューアルオープンを果たした。これまでに辻惟雄、小林忠、河合正朝が館長を務めており、山梨は同館では初の女性館長となる。
ほかにも森美術館、横浜美術館、国立新美術館、金沢21世紀美術館でそれぞれ片岡真実、蔵屋美香、逢坂恵理子、長谷川祐子が新館長となるなど、女性が館長に就任する機運が高まっている。