2017年4月から、リニューアル整備のため長期休館に入っている滋賀県立近代美術館。その次期館長に、保坂健二朗(現・東京国立近代美術館 主任研究員・絵画彫刻室長)が就任することが明らかになった。
保坂は1976年生まれ、慶應義塾大学大学院前期博士課程(美学美術史学分野)修了。2000年から東京国立近代美術館勤務。現在は、フランシス・ベーコンを中心とした20世紀以降の絵画における人物表現、建築展の方法論、アール・ブリュットの歴史などを研究テーマとする。
これまで企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013)、「声ノマ全身詩人、吉増剛造展」(2016)、「隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2020)など。また、滋賀県立近代美術館協議会コレクション形成部会委員のほか、「美の滋賀」発信検討懇話会委員等を務め、館長には2021年1月1日付で就任となる。
なお同館は、SANAA設計による建物の改修・新棟の建設と、「新生美術館」としての20年3月オープンを目指してきた。しかし17年に建築工事の一般競争入札が入札不落となり、18年7月には計画が凍結。12月には「新生美術館」という名称も見直しとなり、その後は老朽化対策や作品収蔵スペースの拡大など、喫緊の課題に対応するための改修を優先していくと見られていた。現在は、2021年早期の再開館を目指している。