バンクシーに感謝を。ポップアップ展「Thank You BANKSY」がパレスチナ・ベツレヘムで開催

自ら作品をオークションに出品し、その収益をベツレヘムの病院に寄付したバンクシー。その支援に感謝するため、パレスチナ・ベツレヘムの中心部にポップアップ展覧会「Thank You BANKSY」が行われた。

「Tours with Yamen」のFacebookより

 7月に自ら作品をオークションに出品し、約3億円の収益をベツレヘムの病院に寄付したバンクシー。その支援に感謝するため、パレスチナ・ベツレヘムの中心部にポップアップ展覧会「Thank You BANKSY」が行われた。

 本展は、パレスチナのツアーガイドであるヤメン・エラベルがコーディネートしたもので、バンクシーの作品写真を約20点展示。エラベルは本展の記録映像で、「バンクシーはいつも私たちを驚かせてくれる。今度は私たちが彼を驚かせる番だ」と述べている。

 ガーディアンの報道によれば、約300人の鑑賞者が本展を訪れ、来場者一人ひとりにバンクシーの作品がプリントされたマスクが無料で配布された。またエラベルは、鑑賞者にバンクシーへの感謝のメッセージを依頼。集めたメッセージを本にしてバンクシーにも送るという。

「Tours with Yamen」のFacebookより

 バンクシーは2005年〜07年にかけ、パレスチナ側の分離壁に15の絵やステンシル画を残した。また17年には、ベツレヘム側の分離壁の目の前で「世界一眺めの悪いホテル」と呼ばれるザ・ウォールド・オフ・ホテルを開業。先月のオークションに出品された作品は、バンクシーがこのホテルのために制作し、そのロビーで展示していたものだ。

 エラベルは、「バンクシーはオルタナティブ・ツーリズムで私たちの経済を助けてくれた」としつつ、ベツレヘムでストリートアートをつくる危険性についてこう語っている。「第1次と第2次インティファーダ(編集部注:パレスチナにおける反イスラエルの民衆蜂起)のあいだ、壁に落書きを描くことが禁止されており、多くの人々が怪我をしたり逮捕されたりしていた」。バンクシーはそうした危険性を認識しながら、活動を続けた。その結果が、今回の「感謝のイベント」につながっている。

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